久しぶりに、いくつか仕事の報告です。
久々に「パノラマ観光公社」のほうで『万引き女子〈未来〉の生活と意見』という本の編集をいたしました。
小説ではなく、ノンフィクションというか、万引き常習犯でクレプトマニア(窃盗症)だった著者さんの体験告白です。
犯罪者の体験告白ものかと思いきや、途中から「バラードか?」と思うような強迫観念との戦いになったり、それでいて妙なユーモアがあったり、まさに「事実は小説よりも奇なり」という実話です。
本来、こういうタイプの外注編集仕事で名前は出ないんですけど、「事実は小説よりも奇なり、なので、むしろ小説っぽい装丁にしましょう」とのことで、本の仕様からトータルで手がけることになりましたので、二年ぶりに「パノラマ観光公社」が復活しました。*1
ブックデザインもヨーヨーラランデーズさんにお願いいたしました。
カバー&本文のイラストレーションは、「地方都市の少女の仄暗い生活風景が描ける漫画家さん」ということで、『R-中学生』や『水色の部屋』のゴトウユキコさんにお願いいたしました。
ゴトウさんの作品や世界観が好きな方には、間違いなく面白いと思います。*2
題材やエピソードは「実話ナックルズ」な方面ですので、たぶん宣伝もそっち方面がメインだと思うんですが、わりと往年の講談社BOXっぽく作ってしまったので、「泡盛古酒でリキュール作ってしまいました」的な感じのマイルドさになっております。
口当たりは良いけど、アルコール度数はけっこう強いよ、みたいな。
そして、編集しつつ「こういう物語はフィクションな小説ではなかなか書けないよなァ」と、驚いたり考え込んだり。「お前は小説書かないで何やってんだ」と言われそうではありますが、面白くも勉強になる仕事でした。
で、もうひとつご報告。
『S-Fマガジン』2017年10月号、「オールタイム・ベストSF映画総解説 PART1」で、フランキー堺主演『世界大戦争』の解説を書かせていただきました。
昭和三十年代に東宝が全面核戦争を描いた大作映画で、怪獣や宇宙人は出てこないですが、トラウマは全開です。
ついでに世間とのタイミングもドンピシャだ。まったく嬉しくないけど。
オールタイムでSF・ファンタジイ映画500本を解説する大特集なんですが、PART3まで三号連続とのことでびっくり。
本号では、1902年の『月世界旅行』から1988年の『ゼイリブ』まで、計250作を掲載とのことです。
いくつかと言いつつ、よくよく考えたら記名だったのは二件だったりしますが、秋くらいに、また報告できるのではないでしょうか。 そうであって欲しいな。