ゆずはら置き場/パノラマ観光公社

作家・ゆずはらとしゆきのお仕事報告ブログです。

最近の生存報告とカクヨムはじめました(2017年秋)

えーと、なんとか生きております。
このブログを読んでいる知人の半分くらいは「死んでいれば良かったのに」と思っているでしょうが、のうのうと生きております。

kakuyomu.jp

そして、短篇くらいは書かないと脳が錆びつくので、カクヨムはじめました。
読者としてのアカウントはだいぶ前に取っていたんですけど、使い方に慣れるまで時間がかかってしまいまして。 *1

とりあえずは、『祀のアト』という、短篇連作(?)小説を、月に数回くらいのペースでアップしようかと思っております。

 キャラクター化された少女への執着と、その少女のキャラクター性が反転して、執着から切り離されていく過程。
 誰とも共有できなかったフェティッシュなプロット。
 それらを読者の都合へ最適化していくことを放棄する代わりに、無軌道な連続体/物語とする。

 基本ルールはひとつ。
 少女の名は九葉祀(クヨウ・マツリ)、男の名は甘木(アマギ)。
 あとは狂言回しの「私」がいるくらいで。
 その役割もせいぜい、ブルース・ウィリス主演のブラック・コメディ映画で、アルバート・フィニーが演じた売れない作家のようなもので、箸にも棒にもかからない短篇を思いついては書き連ねていく小説です。
 エピソードごとに別人へすり替わる、同姓同名の彼らにまつわる短篇連作小説――群体です。

 口上はいささか大仰ですが、たいしたものではありません。
 『天使のはらわた』の名美と村木みたいな構造です。構造だけですが。


無駄に大仰な紹介文ですが、要は登場人物の名前だけ決まっていて、いろんなタイプの短篇が枝葉のように増殖していくよ、というコンセプトです。
なので、話の途中で別の小説が始まって、あとで元の小説の続きが追加されるとか、そういうことも往々にしてあります。いい加減なコンセプトですな。*2

 『空想東京百景』シリーズは、一応「オカルトパンク」という括りでしたが、こちらはもっとノージャンルというか、スリップストリームな感じになればいいなー、と。

まァ、付けたタグは半分くらい冗談ですけど。
何を書いても、ジャンル小説のマニアからは小馬鹿にされますし、ぼくもジャンル小説は嫌いなので、だったら、最初からおかしなタグを付けてやろうということで。

何はともあれ、仕事で多忙にならない限りは、ぼちぼちのペースでアップしようと思います。  

www.pixiv.net

ちなみに、以前、日日日さんたちとのリレー小説をアップしたpixivは縦書き表示ができますので、そっちでアップすることも考えたんですが、どうも二次創作メインっぽいので、カクヨムにしました。

あと、『みんなのA列車で行こうPC』のSteamワークショップに『空想鉄道百景』というシナリオをアップロードしました。

Steam Workshop :: 空想鉄道百景

世の流れはソシャゲですが、サクラ大戦が最高のゲームだと押し付けてきたあげく、一方的に「おまえの作風は嫌いだ」と言ってビタイチ払わずクビにしたプロデューサーが、平然と「あっちが勝手に辞めたんですよ」とか吹聴して、真に受けた若い作家が更に悪評を広めていくという、くそったれなジャンルにはうんざりしていますので、ローグライクRPGや、Diablo系のハクスラや、ベストプレープロ野球A列車で行こうといったオールドスクールな箱庭ゲーばかりやっておるのですが、そのついでにちまちま作っておりました。*3

まさか、このブログを見ているひとにユーザーがいるとは思えないのですが、一応、報告しときます。

 

それと、太田出版から出た、とある本の編集協力をしていました。

『万引き女子〈未来〉の生活と意見』の編集作業で太田出版に通っていたら、担当編集さんと「ゆずはらさん、昔、えろまんがの原作書いていましたよね? 編集の現場も知ってますよね?」という話になり、ついでに頼まれた案件です。

主に本文(第1章から8章まで)の校正をしていて、まえがき、あとがき、おまけコーナー(?)などの存在を知らなかったので、マニアックなジャンルの「表現」を偏愛するガッチガチの研究書だと思い込んでいて、いろいろとツッコミを入れていたのですが、献本をいただいて、はじめて、そういう本ではなかったことに気づいたという……。

とんだ勘違いでしたが、懐かしい気持ちにはなりました。

 

以下、与太話。*4

『空想東京百景〈V3〉殺し屋たちの墓標』から2年、プロットだけはずいぶん書いていたのですが、「こういうものを考えているんだけど」と言うと「そんなものを書く暇があったら真面目にジャンル小説を書け」「○○を書かないんだったら一行たりとも読まない」「いますぐ小説を辞めろ」「小説を辞めなければ仕事を回さない」と口々に言われまして。*5

新人賞経由ではないので、同業者の友人が少ないのと、それ以外の知人は小説の内容より売れるかどうかで考えるから、こうなるんですけど、いい加減に煩わしくなったので、誰にも言わず、ひたすらチラシの裏へ書いておりました。

「心配して言っているんだぞ」とか付け加えられたような気もしますが、どうせ送ったところで、党派性ばかり気にして真面目に読みもしないので、だったら好き勝手に書くだけです。*6

というか、ジャンル小説に於いて、作品の善し悪しは、属しているジャンルの党派性に奉仕し、政治的に都合が良いと判断されるかどうかで決まります。
つまり、よっぽどの傑作でなければ、出来不出来なんて、まったく関係ないのですね。*7

*1:試しにいろいろやっていたんですけど、注釈とかバンバン入ってくる『空想東京百景』のスタイルをweb小説で再現するのは、なかなか難しいですね。

*2:ちなみにブルース・ウィリス主演のブラック・コメディ映画で、アルバート・フィニーが演じた売れない作家」は、『ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ』キルゴア・トラウト

*3:なお、話が猥雑なのは、ぼくの仕様であり作風です。

*4:本文に入れていたら、「長いよ」とツッコミが入ったので、「続きを読む」へ移動しました。

*5:○○は、人によりけりですが、だいたいの場合、異世界転生とか新本格ミステリーとかミリタリーSFとかが入ります。

*6:編集者というものは、自分の党派で利用できる作品以外はまったく興味を示しません。

*7:別件でプロットを送ったら、そのまま音信不通になった編集さんもおりました。もちろん、別の会社で売れれば途端に掌を返してくるのは言うまでもありません。