ゆずはら置き場/パノラマ観光公社

作家・ゆずはらとしゆきのお仕事報告ブログです。

花粉症シーズンからのエクソダス(4月)

毎年どこかで使っているこのタイトルの通り、毎年恒例の引きこもり状態からようやっと脱出しました。
打ち合わせと病院通いで3回だけ外出して、あとは一ヶ月半、家から一歩も出ないで仕事していましたよ。外出すると翌日熱を出すから出たくても出られなかったんだけどな!(逆ギレ)

そのわりには相変わらず表沙汰にできる仕事はないのですが、「Febri」というアニメ業界誌(?)にレビューみたいな1ページ原稿を書いています。 

Febri Vol.48

Febri Vol.48

 

知人の編集さんに、たまたま「テレビドラマ版の『賭ケグルイ』が面白いですよ」と言ったら、「じゃ、レビュー書いてーと言われて書きました。

一迅社さんはComicREXでは仕事していますが、そういや「Febri」は読んだことなかったなー、と思って献本を見たら、昔、担当編集だったひとが二人、わりとメインどころのライターになってて驚きました。世間は狭いですね。

 

あと、講談社BOXが実質的になくなってから、青年漫画誌基準でライトノベルを書けるレーベルがなかったので小説の仕事をしてなかったんですが、ようやっと青年漫画誌基準で書けそうです。さすがに「講談社BOXのいかにも00年代で暗い作風はやめてくださいね」と釘を刺されましたが。

いや、なかなかないんですよ。ライトノベルは基本、少年マンガ誌基準なので。
最近はソシャゲやなろう系が少年マンガ的な性格を強めていて、ギャラや部数で勝ち目がなくなったのか、性描写とかはっちゃけても良くなったようですけど、それも表向きの描写だけで、人間性や倫理観とか、ドロっとした内面が伴うと、いきなり難色を示される。
少年マンガ誌の倫理基準では、俗情に最適化された描写を娯楽性と呼んでいますので。

なので、講談社BOX「うちはヤングマガジンですから」というのはつくづく絶妙だったなー、と思います。
実際、安達哲先生、すぎむらしんいち先生、望月峯太郎先生とかが活躍していた90年代のヤンマガが好きで、湾岸ミッドナイトの台詞で会話するバカなひとたちが集まっていたので、「だったら『さくらの唄』とか復刻すれば?」と言ったら、本当に復刻してしまうようなレーベルだったんですけど。*1

さくらの唄(上) (ヤングマガジンコミックス)さくらの唄(下) (ヤングマガジンコミックス)

でも、おかげで『空想東京百景』の居場所*2もなんとか確保できましたし、『のばらセックス』みたいな実験作の企画編集もできました。
まァ、後半の五年間は、ほとんど作家と編集を兼務していたので大変でしたが……。

昔話はさておき、そろそろ作風のアップデートはしないといかんかったので、なんとか頑張ります。
あと、たぶん完全新作です。

*1:講談社コミック文庫に入っているのに“復刻”というのもおかしな話ですが。あと、ぼくはハロー張りネズミ』『ビー・バップ・ハイスクール』『AKIRA』『Dr.クマひげ』『柔道部物語』とかの80年代ヤンマガも大好きでした。

*2:ジョージ秋山先生の『ラブリン・モンロー』みたいなポジションでしたけど。

あけましておめでとうございます(2月末)

あけましておめでとうございます。もう2月末ですが。

正月早々にひとつ、ちまっと報告するとか書いていたんですけども、すっかり忘れておりました。ブログの存在ごと。

で、その正月早々に公開されたのが、これです。

kai-you.net

「KAY-YOU」というwebマガジン(?)で『幽白、まどマギ…『デビルマン永井豪の落とし子たち』という座談会に参加いたしました。
『DEVILMAN Cry Baby』の番宣(?)企画ということで、「月刊ムー」編集長の三上丈晴さん、ライターのガイガン山崎さんと三人で『DEVILMAN Cry Baby』とは関係ないデビルマンの話をしております。

収録自体はそんなに真面目でもない与太話だったんですが、記事になるとなんとなく真面目な話っぽくなっていて不思議。
当日、公式で発表される系統樹を見せていただいて、面白いことは面白いけど大雑把過ぎたので「もうちょっと整理しましょう」と、ああいう話の流れになったわけですが、大差ないような気もします。
まァ、与太話ですので話半分に。

「ゆずはらさんは顔出しNG*1ということですが、顔、どうやって隠しましょうか」
「あ、サイコジェニーで隠しといてください」
「分かりました。許可取ってみますね!」
……取れるはずがないので、いつものクマみたいな生物(?)になりました。

 

SFが読みたい!2018年版

SFが読みたい!2018年版

 

『SFが読みたい! 2018年版』のベスト5アンケートにも回答いたしました。
SF小説界隈とはまったく無縁なのに、もう5年目です。

海外のベスト5はどれを外すかで迷ったのですが、国内は選ぶのに苦労しました。
毎年そんな感じですけど。
00年代以降の国内SF小説が基本的に苦手ですので。

 

とりあえず、1~2月のお仕事はこんな感じです。
あとは水面下でいろいろ動いていますが、お知らせするにはいくつもハードルを超えないといかんので。 

空想東京百景 (講談社BOX)

空想東京百景 (講談社BOX)

 

そういえば、講談社BOX版の『空想東京百景』1巻が、5月で発売10周年になるんですよ。
最初のシリーズが始まったのは2001年末なので、かれこれ17年書いているんですが、さすがに7年ごとに発表される今のパターンだと一見さんにはとっつきづらいので、ちょっと切り口変えてみるか、とか思っております。

17年前に構築した世界観*2だと、『十八時の音楽浴 漆黒のアネット』で描いた「外部からの影響」を除いて、時間軸が昭和20~39年の袋小路なので、いくつかの伏線を回収しづらくなっている、という構造問題も出てきたので。
誰も気づいていないんで、放置していても支障はないんですけど。

 

kakuyomu.jp

あと、カクヨムで書いている実験小説シリーズ『祀のアト』も月1~2回のスローペースですが、ぼちぼち更新しております。
過去の商業作品に言及したり、いろいろと適当にやっておりますので、どうかよしなに。

潜行中の仕事が順調なら、『空想東京百景』シリーズのお蔵出しみたいなこともやりたいですなー。

*1:女子書店員はメロメロ、女房は殴って留置場、みたいな痩身の二枚目だったら、むしろ積極的に顔を出しますが、そうでない普通のおっさんがweb上で顔を出すメリットはないので。

*2:世界観と基本構造は17年前の連載スタート時にすべて作り上げており、それにキャラクターやエピソードを肉付けしていく形で話を進めていました。

最近のお仕事(2017年ラスト)

暇だから『祀のアト』を書くかと思っていたら、急に仕事で忙しくなってしまって中断しております。
世の中上手くいかんものです。
いや、仕事が入ったのは良いことなので、落ち着いてからゆっくり進めます。

で、本年最後の仕事です。 

S?Fマガジン2018年2月号

S?Fマガジン2018年2月号

 

 S-Fマガジン2018年2月号、表紙はガルパンですが、「オールタイム・ベストSF映画総解説 PART3」マインド・ゲーム』『終りに見た街』『ウォッチメンの解説を書かせていただきました。
終りに見た街は映画じゃなくて、テレビドラマですけど。 

マインド・ゲーム [Blu-ray]

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終りに見た街 (小学館文庫)

終りに見た街 (小学館文庫)

 

  

ウォッチメン [Blu-ray]

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そして、2015年の『空想東京百景』シリーズ連続刊行以来の開店休業状態も、ようやく解除となりましたので、来年(2018年)は作家のほうでぼちぼち顔を出すと思います。

仕事関係(?)へ送った年賀状にはしっかり「開店休業中」と書いてしまったので、めっさ恥ずかしいのですが、投函した翌日に話が来たのでそれはしょうがない。*1

というか、正月早々にひとつ、ちまっと報告しますので、来年もよろしくです。

*1:年賀状はだいたい11月中にさっさと書いて投函してしまう癖がありまして、喪中はがきとか届いても対応できないのです。