2015年の終わりのご挨拶
そろそろ年末なので、少し早めに2015年を振り返りますと、前半が忙しくて、小説とか漫画とか画集とか、五ヶ月連続で本を作っておりました。
空想東京百景<異聞> Strange report (IDコミックス/REXコミックス)
- 作者: toi8,ゆずはらとしゆき
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2015/04/27
- メディア: コミック
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こんな感じで、作家としては七年ぶりに『空想東京百景』シリーズ新作(続編)を発表できました。
関係者各位には、本当に感謝しております。
ところが、ひと区切りついたので人間ドックへ行ったところ、通院治療とか食事制限とかいろいろと難儀なことになりまして。
幸い、倒れる前に発見できたので、大事に至ることなく三ヶ月で完治いたしましたが、それを差し引いても、後半は一転、仕事がなかったですね。
前半が働き過ぎだったので、一年通して考えるとバランスは取れているんですが、なんだか極端すぎるような気がしますよ。
とはいえ、年末になって、ようやっとバタバタしてきました。
来年は小説以外の読物……昔、「パンドラ」という雑誌で連載していた『臨終図巻』とか、ああいう感じの仕事がメインになりそうですが、小説もちょっとだけ書いております。
2016年の春くらいには、何かしらお知らせできるような気はします。
『空想東京百景』シリーズの続きも準備しておりますよ。
昭和30年代ものは大戦中や敗戦直後よりも面倒くさい*1というか、史実を仕込んで熟成するまで手間暇かかるので、移籍先が決まってなくてもやっておかないといかんのです。
何はともあれ、作家の仕事は小説だけではないと割り切って、マイペースに生き延びていく予定です。
そんなわけで、流されるまま流されゆく日々でございますが、年末年始がバタバタする気配なので、少し早めに2015年を振り返りました。
2016年もよろしくお願いいたします。
『空想東京百景』シリーズAmazonポイント50%還元セール
早川書房創立70周年記念キャンペーンで『咎人の星』のセールが終わったと思ったら、今度は『空想東京百景』シリーズのKindle電子書籍版3冊が、講談社のAmazonポイント50%還元セールの対象作品になっておりました。
ていうか、ミネラルウォーターが切れたので注文しに行ったら見つけたのですが。
12/6までの2日間限定のようです。
Kindleのトップページや電子書籍情報サイトからは飛びづらいというか、存在を発見できないと思うので、ゆずはらさんの著者ページへのリンクと、対象の三冊『空想東京百景』『空想東京百景〈V2〉殺し屋たちの休暇』『空想東京百景〈V3〉殺し屋たちの墓標』を貼っときますね。
http://goo.gl/2OLRgO
ゆずはらとしゆき@Amazon著者ページ
年内はもう何も報告することないかなー、と思っていたんですけど、やっぱり年末なので突発的にいろいろありますね。
いや、別に突発的でもなんでもなくて、単に担当さんと連絡を取っていないから知らなかっただけなんですけど。
そういえば、早川書房のパーティーへ行ったときに、「『空想東京百景』シリーズは〈V3〉で完結したんですか?」と訊かれてしまったのですが、安心してください、続きますよ!
『空想東京百景〈V3〉殺し屋たちの墓標』以降も、短編集とかいろいろ企画があったんですけど、見ての通り、講談社BOXがあんな感じになったので、続刊の予定が白紙になっているだけです。
今のところ、水面下で動いてもいないので、「そろそろ動いたほうが良いのかな?」と思っているんですけど、すっかり業界浦島太郎状態でして。
それはそれとして、「パノラマ観光公社」で企画編集しました〈日日日×千葉サドル〉シリーズも還元セール対象でしたので、こっちも貼っておきますね。
『平安残酷物語』『のばらセックス』『図書館パラセクト』『はこぶねエトランゼ』の4冊が対象です。
ちなみに『ビスケット・フランケンシュタイン〈完全版〉』はコレクターズアイテムなので、電子書籍化はされておりません。すいません。
早川書房創立70周年記念キャンペーン&『ハヤカワ文庫SF総解説2000』
表に出る仕事がまったくないのに、年末進行でバタバタしておりますが、早川書房創立70周年記念キャンペーンとのことで、『咎人の星』電子書籍版が半額になっておりますよ。
もちろん、Amazon以外のストアも半額(400円とか370円とか)です。12/3まで。
小川麻衣子さんのイラストもすべて収録されておりますよ。
それはそれとして。『咎人の星』は、賢しらな本読み様がエロ小説と小馬鹿にしているか、SFマニアが嫌そうに語るか、どちらかの反応しか見たことがないのですが、そのたびにすごく不愉快になっております。
元がえろーすな漫画の原作だったからしょうがないか、とは思うのですが、わざわざ早川書房で小説として書き直している時点で、ゆずはらさんの意図はかなり別のところ、むしろポルノグラフィとは正反対なところにあるのですよ。
野暮なので語らないですけど。担当さんもぼくも。*1
えろーす方面を離れた『漆黒のアネット』以降の小説は、ゆずはらさん的にはどれも極めて真面目に書いておるのですよ。ヘンなものを書いているという自覚はあるので、早川書房のパーティーへ行くたびに謝っておりますが。
そんなわけで、正直、『空想東京百景』シリーズ以外の長編小説はもうわざわざ書かなくてもいいような気がしております。
実際、書く機会もないので、小説以外の仕事をやっておりますが、それでも「やっぱり小説で復讐するべきじゃないのか?」という電波は受信するのですよ。一日一回くらいは。
だからと言って、そのためにわざわざ長編小説を書くというのも、どうだろうなァ……と思いますし、そもそも「誰に」「何を」復讐するのだ?
早川書房からもうひとつ。
『ハヤカワ文庫SF総解説2000』に「S-Fマガジン」の特集「ハヤカワ文庫SF総解説」で書いたレビューが収録されております。
- トマス・M・ディッシュ『人類皆殺し』
- J・G・バラード『ハイ-ライズ』
- ルーディ・ラッカー『ソフトウェア』『ウェットウェア』『フリーウェア』
- カート・ヴォネガット・ジュニア『チャンピオンたちの朝食』
- カート・ヴォネガット『ガラパゴスの箱舟』
- ロバート・J・ソウヤー『ターミナル・エクスペリメント』
以上、サツバツとしたSF小説ばかり6作品をレビューしておりますが、単行本化にあたって、すべて少し書き直しております。些細なことですが。
かくして、2015年内に発表できる仕事はザッツオーフィニッシュです。
2016年は新作小説を発表する機会があるのかなァ。
ていうか、何を書くか考えないとなァ。