ゆずはら置き場/パノラマ観光公社

作家・ゆずはらとしゆきのお仕事報告ブログです。

最近のお仕事(2017年ラスト)

暇だから『祀のアト』を書くかと思っていたら、急に仕事で忙しくなってしまって中断しております。
世の中上手くいかんものです。
いや、仕事が入ったのは良いことなので、落ち着いてからゆっくり進めます。

で、本年最後の仕事です。 

S?Fマガジン2018年2月号

S?Fマガジン2018年2月号

 

 S-Fマガジン2018年2月号、表紙はガルパンですが、「オールタイム・ベストSF映画総解説 PART3」マインド・ゲーム』『終りに見た街』『ウォッチメンの解説を書かせていただきました。
終りに見た街は映画じゃなくて、テレビドラマですけど。 

マインド・ゲーム [Blu-ray]

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終りに見た街 (小学館文庫)

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ウォッチメン [Blu-ray]

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そして、2015年の『空想東京百景』シリーズ連続刊行以来の開店休業状態も、ようやく解除となりましたので、来年(2018年)は作家のほうでぼちぼち顔を出すと思います。

仕事関係(?)へ送った年賀状にはしっかり「開店休業中」と書いてしまったので、めっさ恥ずかしいのですが、投函した翌日に話が来たのでそれはしょうがない。*1

というか、正月早々にひとつ、ちまっと報告しますので、来年もよろしくです。

*1:年賀状はだいたい11月中にさっさと書いて投函してしまう癖がありまして、喪中はがきとか届いても対応できないのです。

最近の生存報告とカクヨムはじめました(2017年秋)

えーと、なんとか生きております。
このブログを読んでいる知人の半分くらいは「死んでいれば良かったのに」と思っているでしょうが、のうのうと生きております。

kakuyomu.jp

そして、短篇くらいは書かないと脳が錆びつくので、カクヨムはじめました。
読者としてのアカウントはだいぶ前に取っていたんですけど、使い方に慣れるまで時間がかかってしまいまして。 *1

とりあえずは、『祀のアト』という、短篇連作(?)小説を、月に数回くらいのペースでアップしようかと思っております。

 キャラクター化された少女への執着と、その少女のキャラクター性が反転して、執着から切り離されていく過程。
 誰とも共有できなかったフェティッシュなプロット。
 それらを読者の都合へ最適化していくことを放棄する代わりに、無軌道な連続体/物語とする。

 基本ルールはひとつ。
 少女の名は九葉祀(クヨウ・マツリ)、男の名は甘木(アマギ)。
 あとは狂言回しの「私」がいるくらいで。
 その役割もせいぜい、ブルース・ウィリス主演のブラック・コメディ映画で、アルバート・フィニーが演じた売れない作家のようなもので、箸にも棒にもかからない短篇を思いついては書き連ねていく小説です。
 エピソードごとに別人へすり替わる、同姓同名の彼らにまつわる短篇連作小説――群体です。

 口上はいささか大仰ですが、たいしたものではありません。
 『天使のはらわた』の名美と村木みたいな構造です。構造だけですが。


無駄に大仰な紹介文ですが、要は登場人物の名前だけ決まっていて、いろんなタイプの短篇が枝葉のように増殖していくよ、というコンセプトです。
なので、話の途中で別の小説が始まって、あとで元の小説の続きが追加されるとか、そういうことも往々にしてあります。いい加減なコンセプトですな。*2

 『空想東京百景』シリーズは、一応「オカルトパンク」という括りでしたが、こちらはもっとノージャンルというか、スリップストリームな感じになればいいなー、と。

まァ、付けたタグは半分くらい冗談ですけど。
何を書いても、ジャンル小説のマニアからは小馬鹿にされますし、ぼくもジャンル小説は嫌いなので、だったら、最初からおかしなタグを付けてやろうということで。

何はともあれ、仕事で多忙にならない限りは、ぼちぼちのペースでアップしようと思います。  

www.pixiv.net

ちなみに、以前、日日日さんたちとのリレー小説をアップしたpixivは縦書き表示ができますので、そっちでアップすることも考えたんですが、どうも二次創作メインっぽいので、カクヨムにしました。

あと、『みんなのA列車で行こうPC』のSteamワークショップに『空想鉄道百景』というシナリオをアップロードしました。

Steam Workshop :: 空想鉄道百景

世の流れはソシャゲですが、サクラ大戦が最高のゲームだと押し付けてきたあげく、一方的に「おまえの作風は嫌いだ」と言ってビタイチ払わずクビにしたプロデューサーが、平然と「あっちが勝手に辞めたんですよ」とか吹聴して、真に受けた若い作家が更に悪評を広めていくという、くそったれなジャンルにはうんざりしていますので、ローグライクRPGや、Diablo系のハクスラや、ベストプレープロ野球A列車で行こうといったオールドスクールな箱庭ゲーばかりやっておるのですが、そのついでにちまちま作っておりました。*3

まさか、このブログを見ているひとにユーザーがいるとは思えないのですが、一応、報告しときます。

 

それと、太田出版から出た、とある本の編集協力をしていました。

『万引き女子〈未来〉の生活と意見』の編集作業で太田出版に通っていたら、担当編集さんと「ゆずはらさん、昔、えろまんがの原作書いていましたよね? 編集の現場も知ってますよね?」という話になり、ついでに頼まれた案件です。

主に本文(第1章から8章まで)の校正をしていて、まえがき、あとがき、おまけコーナー(?)などの存在を知らなかったので、マニアックなジャンルの「表現」を偏愛するガッチガチの研究書だと思い込んでいて、いろいろとツッコミを入れていたのですが、献本をいただいて、はじめて、そういう本ではなかったことに気づいたという……。

とんだ勘違いでしたが、懐かしい気持ちにはなりました。

*1:試しにいろいろやっていたんですけど、注釈とかバンバン入ってくる『空想東京百景』のスタイルをweb小説で再現するのは、なかなか難しいですね。

*2:ちなみにブルース・ウィリス主演のブラック・コメディ映画で、アルバート・フィニーが演じた売れない作家」は、『ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ』キルゴア・トラウト

*3:なお、話が猥雑なのは、ぼくの仕様であり作風です。

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最近のお仕事(2017年夏)

 久しぶりに、いくつか仕事の報告です。

www.ohtabooks.com

久々に「パノラマ観光公社」のほうで『万引き女子〈未来〉の生活と意見』という本の編集をいたしました。

小説ではなく、ノンフィクションというか、万引き常習犯でクレプトマニア(窃盗症)だった著者さんの体験告白です。
犯罪者の体験告白ものかと思いきや、途中から「バラードか?」と思うような強迫観念との戦いになったり、それでいて妙なユーモアがあったり、まさに「事実は小説よりも奇なり」という実話です。

本来、こういうタイプの外注編集仕事で名前は出ないんですけど、「事実は小説よりも奇なり、なので、むしろ小説っぽい装丁にしましょう」とのことで、本の仕様からトータルで手がけることになりましたので、二年ぶりに「パノラマ観光公社」が復活しました。*1
ブックデザインもヨーヨーラランデーズさんにお願いいたしました。

カバー&本文のイラストレーションは、「地方都市の少女の仄暗い生活風景が描ける漫画家さん」ということで、『R-中学生』水色の部屋ゴトウユキコさんにお願いいたしました。

yanmaga.jp

www.ohtabooks.com

ゴトウさんの作品や世界観が好きな方には、間違いなく面白いと思います。*2

題材やエピソードは実話ナックルズな方面ですので、たぶん宣伝もそっち方面がメインだと思うんですが、わりと往年の講談社BOXっぽく作ってしまったので、泡盛古酒でリキュール作ってしまいました」的な感じのマイルドさになっております。
口当たりは良いけど、アルコール度数はけっこう強いよ、みたいな。

そして、編集しつつ「こういう物語はフィクションな小説ではなかなか書けないよなァ」と、驚いたり考え込んだり。「お前は小説書かないで何やってんだ」と言われそうではありますが、面白くも勉強になる仕事でした。

万引き女子〈未来〉の生活と意見

万引き女子〈未来〉の生活と意見

 

 

で、もうひとつご報告。 

www.hayakawa-online.co.jp

 S-Fマガジン2017年10月号、「オールタイム・ベストSF映画総解説 PART1」で、フランキー堺主演世界大戦争の解説を書かせていただきました。
昭和三十年代に東宝が全面核戦争を描いた大作映画で、怪獣や宇宙人は出てこないですが、トラウマは全開です。
ついでに世間とのタイミングもドンピシャだ。まったく嬉しくないけど。

世界大戦争  [東宝DVD名作セレクション]
 

オールタイムでSF・ファンタジイ映画500本を解説する大特集なんですが、PART3まで三号連続とのことでびっくり。
本号では、1902年の月世界旅行から1988年のゼイリブまで、計250作を掲載とのことです。

SFマガジン 2017年 10 月号

SFマガジン 2017年 10 月号

 

 

いくつかと言いつつ、よくよく考えたら記名だったのは二件だったりしますが、秋くらいに、また報告できるのではないでしょうか。 そうであって欲しいな。

*1:実際、出ない仕事はときどきやっております。此処にも書いていないですが。

*2:間に入っていただいた編集さんが、講談社BOXでお世話になった編集さんの弟さんだったのでちょっとびっくりでした。